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20数年続けてきた手話通訳の仕事
さぬきち:今日は手帳學受講生のミヤモにインタビューさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
ミヤモ:よろしくお願いします。
さぬきち:まずは簡単な自己紹介ですね、お名前とニックネームとお住まいを伺っても良いですか?
ミヤモ:宮本守と言います。ニックネームは子どものころから40年くらいずっと呼ばれていますけど、ミヤモです。和歌山県に住んでいます。
さぬきち:ありがとうございます。ミヤモ、すごく柔らかい優しい印象がしました。ミヤモが今されてる活動ってどんな感じですか?
ミヤモ:本業は普通の会社員なんですけど転職が多くて、今の仕事が7つ目なんですよ。社会人になってすぐのころから、手話通訳の活動をずっと続けていました。一生懸命やっている時期と、ちょっとおさぼりの時期とあったんですけど、20数年間は続けてきました。
大学生のときのボランティアと、初めて入社した会社がきっかけで手話通訳を学ぶ
さぬきち:手話通訳を続けてきたきっかけって何かありますか?僕の周りにはいないのでちょっと気になりました。
ミヤモ:大学生のころにボランティアをずっとやっていたんです。僕は経済学部だったんですけど、教育学部の学生と仲が良かったんです。先生になりたい学生が子ども会みたいなものを企画していて、障害を持った子らを集めて餅つき大会をしたり、プールで遊んだりとかしていましたね。一緒になって遊んだりお世話する学生がいて。それを手伝いに行ったんです。一緒になって遊んだりキャンプやったり、すごく楽しかったです。社会人になって初めて入社したところに、接客するために手話の勉強をしましょうっていうサークルみたいなのがあって、そこに入ったのがきっかけです。新入社員のときにそこからやり出した感じです。
さぬきち:手話の資格とかも取られているとお聞きしました。その資格を持っている人って、あまりいないんじゃないでしょうか。結構取得も難しいと聞いたことがあります。
ミヤモ:10数年前かな。厚生労働省の認定資格で『手話通訳士』という資格は持っています。全国でも何千人しか持ってないとか、取得が難しいとか言われてますね。和歌山県で30人くらいとかしかいない気がします。
さぬきち:勉強し出して、どれくらいで取れたんですか?
ミヤモ:10年くらいかな。
さぬきち:でもそういう珍しい資格を持っていたら、必要とされることも多いんじゃないですか?
ミヤモ:会社では兼業っていう問題が出てくるので中々自分の活動はできないんです。その活動もあるし、社会保険労務士の試験も合格してるので、そこの絡みで手話通訳をやっている人や、聴覚障害のある人らが集まっている研修会とかは参加してます。あとは労働問題とか会社の問題を考えるっていう集まりに参加させてもらったりとか、そこで事例研究とかで話をしたりしています。今はコロナでできないんですけど、そういうものにはなるべく参加していろんな人と繋がって勉強させていただいています。
さぬきち:なるほど。手話ってなかなか聞かないので、いろいろ聞いてしまいました。ありがとうございます。
体験講座にはグっと来たけど、最初は全面的に信じて良いのか警戒していた
さぬきち:ミヤモの手帳學の出会いのきっかけってどういう感じだったんですか?
ミヤモ:きっかけはFacebookか何かの広告ですが、今まで監修している人が有名な手帳術の本などはすごく読んでいたし、手帳はすごく好きだったんです。手帳ということにぐっと来て、申し込んだのがきっかけですね。たまたま有休を消化しないといけなくて、先に「この日に休む」って決めていたんです。その日に「することないな」って思ったときに、8月の体験講座がたまたまその日に当たってたんです。セミナーとかには行ったことはなかったんだけども、手帳も好きだったし、迷ってることがあると自己啓発とかサラリーマンの効率的な仕事の進め方とか、リーダーとかどうあるべきかなどの本を読んでいたタイプだったので、受講してみようと思いました。実際に体験講座を受けたときには「はいはい、聞いたことあるな、そういうのあるよね」っていう感じでした。怪しいとか違和感があるってほどじゃないし、この話にはなんか乗っかりたいしすがりたいんだけど、自分の心にこのままぐっと入って行っていいものなのか、まだ全面的に行っていいのかどうかって感じでした。管理職になったばっかりのころだったので、自分の中で悩みがあるのは感覚的には分かったんですよ。でも、それで余計ガードが硬くなるというか、ちょっと斜めから入るというか「素直に入っていいのかな、ちょっと様子を見よう」って、緊張していました。
だいちゃんと二人で本音トークをして、受講を決意!
さぬきち:そんな状態から手帳學を受けようと思ったきっかけは、何だったんですか?
ミヤモ:体験講座のファシリテーターがだいちゃんだったんですけど、彼の一番最初の勤めた業種が僕とたまたま一緒だったんです。ネタは全然違うんだけど、同じようなことで失敗して、同じようなことで職場を去ったって聞いたときに、「この人やったら自分のこと分かってくれるわ、その気持ち分かるわ」っていう共感が生まれたんですよね。その後で面と向かって話をしたときに一生懸命質問してくれたので、こちらも一生懸命話しました。何時間くらい話しただろう?そこから、職場の有休の関係で半日休みを取ることが決まっていたので、だいちゃんとその日に日程を合わせたんです。会社が午前中に終わってから夕方6時くらいまでずーっと喋ってて、だいちゃんに「本講座は今が受講するタイミングだと思える人にしか勧めまないんですけど、どうします?」って言われたんです。金銭的なことも考えたんですが、その場でやるって言っちゃいました。手帳も嫌いじゃなかったし、こういう話ができた人が講師ならばやってみようと思えました。今までそこまで腑に落ちなかったものが、そこで初めてぐっと来たかなという感じでした。体験講座を受講しているときは、ちゃんと中身も覚えてないし顔もすごくこわばってたと思うな。
さぬきち:なるほど、やはり個人でしっかり話すって大事ですよね。
手帳學史上に残る大号泣!今だからこそ分かる父親の気持ち
さぬきち:実際に本講座を受けてみて、その中で感じたことや気づいたことはありましたか?
ミヤモ:8月に体験講座を受けて、12月に本講座を受けました。最初は神戸に住んでいて職場が大阪だったので、すごく通いやすかったんですけど、10月に和歌山に転勤になってしまったんですよね。12月の愛編に参加したときは大阪に泊まって…終わりもギリギリでした。終わる時間も1時間早めてもらって、最後のバスや電車に飛び乗っていたので、なかなか疲れましたね。本講座では…名前を出してしまうけど、受講生の中にホーリーがいたんです。ちょうどセッションで彼とペアになって、僕にもホーリーにもすごく自分の中に吐き出したい感情があったんでしょうね。そのセッションが始まる前に、ホーリーも僕もいきなりぐしょぐしょになって泣き出しちゃったんです。他のセッションでも大分感情の蓋が開いてたんだろうけどね。未だにあのホーリーとのバトルは思い出すとちょっと恥ずかしいです。みんなもだいちゃんも、ちょっと引いてたかもしれへんなと思うほどでした。ちょうどホーリーとテーブルを挟んで座っていて、二人ともハンカチ握りしめて「どうした!言いたいことがあるなら言ってみろ!」「うおおお!」って泣いてて…もうあのセッションが頭に強く残っていて、「よう泣いとったな」ってあとでみんなに評判になったくらいです。ちょうど自分にも子どもができて父親になったときだったし、父親が亡くなる1年前くらいだったんです。当時は父親が病気で倒れて認知症も進んでいて。父親が元気だったころは、転職を繰り返してばかりで心配ばかりかけていました。今回は、仕事も会社勤めも長続きして、管理職にまでなったのに。それを親父に喜んでもらいたかったのに。認知が進んで、父はそのことは理解できてないんです。自分の中では悔しいという自覚はなかったんですけど、ワークで感情がむき出しになったときに、「俺がめちゃめちゃ頑張って管理職にまでなったのに、ボケてる場合ちゃうやろ!一生懸命やってんねんぞ!」って言ってました。そのときの感情の出方も、自分も親になったこともあるし、今でも親父も亡くなったときも涙が止まらへんかったし、父親の下で生まれて良かったなって。親父がいたからこそ、今の自分があるんやみたいな。言葉にすると安っぽくなってしまうんだけど、愛編のあのセッションはすごく自分の中に落ちたというか。大事なものが1つできたというか、覚悟ができたというか。あのセッションは自分の中で一番大きかったです。
さぬきち:お話を聴いていても、それがすごく伝わってきました。
ミヤモ:あとはホーリーに聞いてください(笑)
理想も大事だけど、今目の前にある仕事にしっかり向き合う大切さを知った
さぬきち:そのあと、ミヤモ自身の変化を感じたところはありますか?
ミヤモ:みんなが言ってくれるのは「笑顔が増えた」ってことですね。最初はほんまに緊張してたんです。『否定しない』とか、手帳學の3大ルールあるでしょ?でも最初はカッコ付けてたんですよ。これも今から手帳學に関わろうとする人は、もしかしたら最初は戸惑うところもあるかもしれないけど、いろんな仲間ができて話を聴いて行くと、会社を辞めて自分らしく仕事ができるようになりましたって情報が、今の会社に勤めてていいのかなってことを不安に思っていればいるほど、刺さってくるんですよ。今の仕事がすごく大変だとか、転職しようかなとか思ってる人が手帳學に入ってきたときに…「成功しているように聞こえる」って言ったら失礼かもしれないけど、「こうやったら自分らしくいられたんです」っていうことを聞いてしまうと、自己愛が下がってしまうと思うんだよね、自分も最初そうだったから。会社のことで悩めば悩むほど、会社を放り出したくなるときがずっとあったので。でも、そうじゃないよって。『志命育む会』でしげちゃんが言ってたんだけど、「こんなことできやん!」って、金も稼げる当てもないまま今の仕事を放り出してしまうと、結局やりたくない仕事をやることになるんだと。「ああ、それって俺やわ。ほんまやわ!放り出したらあかん!」って思った。手帳學を受けた変化としては、今の会社でサラリーマンとして、しっかりやって行くのも大事だし、それにプラスして何か自分らしくできるものをやって行くことがあるんじゃないかと思えたことですね。私生活はライスワークとして、ご飯食べて家族を養っていく分はしっかり稼ぐ。他に繋がってても繋がってなくても、自分らしくやることによって、他の時間とかに使えるようになるのかなって。この1年くらいで、そんなふうに頭を切り替えられるようになったかな。
手帳學のコミュニティは性別・年齢・運営陣・受講生関係なく、みんな仲良し!
さぬきち:手帳學の受講生は女性のほうが比率が多いと思うんですが、ミヤモはこの手帳學と関わってみて、手帳學の良いところや好きなところって、どういうところだと思いますか?
ミヤモ:コロナでリモートが多くなったんだけど、大阪で離れてる人からしたら、ものすごく参加しやすくなりましたね。ポチっとすればみんなに会えるし、何の講座でもみんなと同じことをやれるし、その時間は一生懸命になれるじゃないですか。何の講座かというよりかは、交流会とかも含めて、みんなと繋がっているというか。楽しいし、元気もらえるし。自分にとって大切なことをどんどん言ってくれる。それがどんどんみんなと繋がりたくなる1つかな。
さぬきち:今やもう、手帳學では毎日何かしらやってますもんね。ミヤモはそこで『おっさんず5』っていうグループの一員ですしね。
ミヤモ:おっさんの年齢なんだけどおっさん扱いされてないというか、そのまま面白がってくれて、認めてくれて、愛してくれてるんですよね。社会ってどっちが年上とか、先輩後輩とか、早生まれだから違うってことは良く言うじゃないんですか。手帳學の仲だとみんな何期とか何年やってるとかって、きっかけとしては話はするけど、早く入ったから先輩面するとか、偉いとかもないし、そんなのは全部取っ払って素のままみんなお互い出して、泣いたり笑ったりふざけたりいろんなことを話したりしてるから、そこが一番好き。
さぬきち:本当に上下とかなくありのままって楽しいですよね。
ミヤモ:受講生も、代表のしげちゃんを特別に偉い人として扱ったりしてないでしょ?
さぬきち:確かにそうですよね。
生活のための仕事は大切にしつつ、10年後を見据えて自分らしい活動も積み重ねて行きたい
さぬきち:ありがとうございます。これからミヤモご自身がやって行きたいことや将来のビジョンがあればお伺いしたいのですが。
ミヤモ:今年49歳になるので、今の会社で今の立場であと10年くらいしか仕事できないんですよね。このままの社内の規定を見れば、60歳で定年。あとは1年更新で65歳までの再雇用なんです。その頃は制度は変わってるかもしれませんが、社会人として残された時間は、最後まで見えてしまってるので。今の仕事には、何かちょっと大きなことをやらかさない限りは、たぶんこのまま置いてもらえると思うので、そこは会社のためにやっていきます。ただそれとは別に、定年、再雇用とか、そうなった時をきっかけとして待遇は今より絶対悪くなるので、そうなるくらいなら、その10年後には、もっと自分らしく輝ける生活ができるようになりたいし、みんなの役にも立てて、みんなに「宮本と何かができて良かった」って素直に喜んでもらえるようなことをやって行きたいなと思います。生活するための仕事は10年間はあるわけだから、今の段階からボランティアでもいいから自分の活動を焦らずに積み重ねて行って、10年後にそれが形になって見えてくるんじゃないかなと思います。
さぬきち:今の仕事もライフワークとして頑張りながら、「ミヤモだからお願いしたい」って言われるような自分の活動もして行くということですね。
ミヤモ:手帳學のコミュニティとずっと関わらせてもらっていたら、すごく楽しくていいものと出会えてるし、良いものができあがって行くんじゃないかなと思っています。楽して怠けるっていうんじゃなくて、みんなの力と知恵を借りて、繋がりを活かさせてもらって、みんなで創って行けたらいいなと思います。今、みんなと繋がってて嬉しいです。
さぬきち:めちゃくちゃいいビジョンですね。短期的にもそっちに走るとかじゃなくて、ちゃんと今の仕事もしながら、10年かけて進んで繋がって行くってことですね。
ミヤモ:今の会社が一番長続きしてるので、しんどい仕事やけど、今の仕事も自分の中で何か楽しいことがあるんでやっています。これで一応ご飯を食べて行くし、大事な危機管理をちゃんとしとかなあかんのだけど、だからこそできることを見つけて行きたいって感じですね。
「あなたのおかげ」とたくさん言ってもらって人生を全うしたい
さぬきち:そこに対しての意気込みを伺っても良いですか?
ミヤモ:さっきも言ったみたいに「ミヤモのおかげで頑張れた、こうなれた、形になったよ」って、いっぱい言ってもらって死にたいなと思っています。「葬式で泣いてくれ」っていうわけじゃないんだけど、褒めてくれやんと頑張れないし、伸びない子なんで。そうやって「あんたがおってくれたおかげやで」って認めてもらえたら、多分誰かの頑張りも心底認められるぐらいになれると思っています。
さぬきち:素敵な意気込みを聞かせていただきました。今日は手帳學受講生のミヤモにインタビューさせていただきました。ありがとうございました。
ミヤモ:ありがとうございました!
インタビュアー:さぬきち
カメラマン:ゆっしー
ブログ作成:のりにぃ
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